定年が近づくと、
ふとこんなことを考える瞬間が増えてきます。
- 定年後は、今と同じように働くべきなのか
- それとも、少しペースを落としたほうがいいのか
- いっそ、仕事から離れる選択もあるのだろうか
ただ、真剣に考えようとすると、なぜか思考が止まってしまう。
そんな感覚を持っている人も多いのではないでしょうか。
実はそれは、とても自然なことのようです。
定年後の話が「考えにくい」理由
定年後について考えにくい理由は、大きく3つあります。
① 前例が身近にない
親世代の定年後と、今の定年後では状況が違います。
- 年金制度
- 再雇用の仕組み
- 健康寿命
- 働き方の選択肢
そのため、「親を参考にすればいい」とも言い切れません。
② 正解が一つではない
「定年後はこうすべき」という分かりやすい答えが存在しません。
- 働き続ける人
- 少しだけ働く人
- まったく働かない人
どれも間違いではありませんが、自分にとって何が合うのかは別の話です。
③ お金・体力・気持ちが絡み合う
定年後の選択は、
- 収入
- 健康
- 生きがい
- 家族との関係
がすべて絡みます。一つだけを基準に決めるのは難しいのです。
「働く or 働かない」の二択で考えない
定年後の話になると、つい次の二択で考えがちです。
- これまで通り働く
- 完全にリタイアする
しかし実際には、その中間がいちばん多く選ばれています。
たとえば、
- 再雇用で勤務日数を減らす
- 全く別の仕事をゆるく続ける
- 収入は少なくても、人と関わる仕事をする
など、「フルかゼロか」ではない選択肢です。
定年後を考えるときの3つの視点
感情だけで考えると迷いやすいので、
ここでは整理しやすい3つの視点で見てみましょう。
① お金の視点:いくら必要か「ざっくり」でいい
細かい計算をする必要はありません。
- 毎月いくらあれば安心か
- 年金+貯蓄で足りそうか
- 収入がゼロになると不安か
「足りる・足りない」より「安心できるかどうか」が重要です。
② 体力の視点:今ではなく「5年後」を想像する
60歳前後は、「まだ元気」な人が多い年代です。
ただし考えるべきは、
- 今できるか
- 5年後も同じペースでできそうか
体力を前提にしすぎると、後で苦しくなります。
③ 気持ちの視点:人と関わりたいか
定年後に意外と影響が大きいのが、人との接点です。
- 毎日誰とも話さなくても平気か
- 仕事がなくなると不安になるタイプか
- 家族以外の居場所がほしいか
ここを無視すると、
「お金は足りているのに満たされない」状態になりやすいです。
「今、決めなくていい」という選択
定年後のことで一番大切なのは、
今すべてを決めきらなくていいということです。
- 働くかどうか
- どんな生活をするか
これらは、段階的に調整していくものです。
むしろ、
- いくつかの選択肢を持っておく
- 状況に応じて変えられる余地を残す
このほうが、現実的で負担が少なくなります。
定年後をうまく進めている人の共通点
定年後の満足度が高い人には、ある共通点があります。
それは、
「定年前に、考え始めていた」
という点です。
決断していたわけではありません。
ただ、
- 情報を集め
- 自分なりに整理し
- いざというときに慌てない
この準備があるかどうかで、定年後のスタートは大きく変わります。
定年後は「生活を小さく整える時期」
アラウンド還暦世代は、
何かを大きく増やす時期というより、
- 生活を整理する
- 無理を減らす
- 大事なものを残す
そんなタイミングだと思います。
定年後を考えることは、「老い」の話ではありません。
これからを、どう心地よく過ごすかを考える話です。
まとめ
- 定年後の正解は一つではない
- 「働く・働かない」の二択で考えなくていい
- お金・体力・気持ちの3つで整理すると考えやすい
- 今すべてを決める必要はない
もし今、
「まだよく分からない」と感じているなら、それは何も遅れていません。
むしろ、ちょうど考え始めるのに良いタイミングだと思いますよ。
一緒に考え始めましょう♪

